2017年9月17日日曜日

アメリカのアウトフィッター(アウトドアショップ)

アメリカのアウトフィッター

ロングトレイルを歩くハイカーは、アウトドアギアを扱う店を「アウトフィッター」と呼ぶことを好みます。ただし、コレは一般的な用法ではありませんのでご注意を。あくまでハイカー同士の間で通じる呼び方です。
長期間アメリカをハイクすると、どうしてもギアの買い替えや新規購入が必要になることがあります。また、日本では手に入れづらいギアが安かったり、アメリカでしか見られない商品があったりもします。実地で試用する機会が豊富(というか毎日)な環境で、何も買わない手はない!全て日本で揃えてくるより、現地でいろいろ悩んでみるのも旅の醍醐味ではないでしょうか。
時代が時代なのでネット通販でほぼ事足りるのですが、基本的には実在の住所(宿などに頼む)とクレジットカードが必要になります。

ロサンゼルスのアドベンチャーシックスティーン

インターネット通販

Amazon.com
日本の楽天のような「インターネットモール」がないと言われてきたアメリカ。現在ではアマゾンが「アメリカ最大のインターネットモール」となっていて、アウトドアギアもいわゆるマスプロダクトならほぼ何でも買えます。自分はAmazon.co.jpのアカウントで使っていますが、できないことも多いようです。アメリカでアマゾンプライムに加入すると2days shipping が無料になりますが、Amazon.co.jpが配信するドラマや映画などはアメリカから見られません。プライム非加入でのfree shipping58 business daysとなっており、週末をはさんで最低1週間はかかります。

Backcountry
インターネットアウトドアギア専門店のバックカントリー。型落ちのギアはセール品となってすぐ在庫切れになってしまうので、最新のギアを定価で買うなら最適のサイトかも。もちろんシーズンごとにセールもやってます。50ドル以上購入で2days shippingが無料になるので、使い方によっては非常に便利です。

実店舗もあるらしいのですがほぼインターネット販売のムースジョー。日本の大型電器店のような「最安保証」をしていてハイカー仲間にファンも多かったのですが、最近ウォルマートに買収されてしまいました。今後どうなるか、ちょっと見守り中。

Sierra Trading Post
こちらも実店舗がありながら、どうもインターネットのほうが大きくなってしまったようなシエラトレーディングポスト。シーズンオフのギア/アパレルやモデルチェンジによる型落ち品を思い切ったセール価格で投げ売りすることがあり、掘り出し物が見つけやすいと評判です(あくまで自分の周辺の評価)。フェイスブックのアカウントを使ってアカウントを作れるので、他のネット店より日本人には使いやすいかも。

おまけ
B&H
カメラとビデオカメラおよびアクセサリの専門店だったはずが、画像映像に関わるモノならなんでも電器店になってきたB&H。中古品も扱っていて、よく見ると中古一眼カメラや中古レンズなんかは日本から送られてくるものが結構ある。自分はカメラで困ったら、アマゾンとココをチェックするようにしています。


大型アウトドアチェーン店

REI(Recreational Equipment, Inc.)
アメリカ最大級と言われるアウトドアチェーン店、アール・イー・アイ。アメリカのロングトレイル経験者たちがしきりと言及するのでよく誤解されますが、REIは総合アウトドアショップであり、ハイカーのニーズを何でも満たしてくれる店ではありません。一般的なギアなら大体手に入るし、会員になると購入額の10パーセントキャッシュバックがあり、通販も使えるので便利、というだけ。

EMS(Eastern Mountain Sport)
アメリカ東北部に展開するチェーン店、イーエムエス=イースタンマウンテンスポーツ。アパラチアントレイルをハイクするなら、思い切って都市に出れば実店舗に寄る機会があるかもしれません。オリジナルブランドのハイキングパンツが個人的にコスパが高くてお気に入りです。REIとは違うタイミングで型落ち品を値下げしたりします。Obozの靴など、ブランドによってはREIより充実していることも。

A16(Adveture16)
カリフォルニアに展開するチェーン店、アドベンチャーシックスティーン。Western Mountaineeringの寝袋が大量に吊るし売りされていたりして、個人的には実店舗が断然楽しい(笑)。サンディエゴのREIはメトロの駅やバス停から遠いので、PCTの南端に自力でアクセスするならまずA16に寄ることをおすすめします。ロサンゼルスの店舗(サンタモニカに近い場所にある)もいい感じの店ですね。

MEC(Mountain Equipment Co-op)
カナダのREIことメック。なぜアールイーアイのようにエムアイシーと呼ばれないのか、理由は誰も知りません。
今でも「組合員にならなければ買い物できない」システムを貫いてます。品揃えはREI同様に大型の総合アウトドアショップですが、REIが郊外に店舗を持つことが多いのに対して、MECはカナダのほとんどの大都市にバスか電車で行ける店舗を持っています。アメリカのカナダ寄りエリアはグリズリーの棲息域であることが多いので、アウトドアでカナダからアメリカに入国するならベアスプレーなどチェックする必要があります。出発前に実店舗に寄ることをおすすめします。


ハンティング・フィッシング&キャンピング大型チェーン

Cabela's
超大型の実店舗が有名なカベラス。ハイカーには想像もつかないようなハンティングギアがあって楽しいです。アパラチアントレイルから寄れる国内最大店があります。

Gander Mountain 
中古の銃コーナーが恐ろしく充実しているガンダーマウンテン。もちろん日本人には買えませんが。キャンピングギアもそれなりに揃えています。

Sportsman's Warehouse
割と本格的なハイキングギアが揃っているスポーツマンズウエアハウス。チェーン店でありながらローカルに根ざしたハンティングとフィッシングの情報が充実していて、最近の釣り状況などはココで直接聞いてしまうのが簡単。


大型スポーツチェーン

BIG 5
スポーツとアウトドア、フィッシングのチェーン店ビッグファイブ。驚くほど安物のバックパックを売っていたりして、それをトレイルで見かけることはほとんどありませんが、困った時には助けになるかもしれません。個人的には安い釣り具と釣りのライセンスを売っているので、そっちでお世話になってます。

Dick's Sporting Goods

総合スポーツチェーンでありながら、ハンティングやフィッシング用品も扱うディックス。カヤックなんかも売ってます。倒産したSports Authorityを買収したのも記憶に新しい。トレイルランニングシューズなら、アウトドアチェーンよりも充実していたりします。


ウルトラライト系独立ブランド(通販)

もうインディペンデントというには大きくなりすぎたブランドばかりで、日本からでも買えるけど、せっかくアメリカ来たのなら!ということで一応。Integral DesignsRabに買収されたはずちょっとうろ覚えですが。GoLiteの傘(Chrome)は今やGossamer Gearが生産していたりして、このリストもいつまで正確か分かりません。

Six Moon Designs 

ULA

Hyperlite Mountain Gear

Gossamer Gear

Zpacks

Mountain Laurel Designs

Rab

Yama Mountain Gear

Borah Gear


その他

Laguna Mountain Sports & Supply
PCTの南端から北に向かって歩き出したハイカーが、最初に寄れるトレイルサイドのアウトフィッター。後になって「結局あそこが良かった」という意見が続出します。店構えは田舎の小さな個人店ながら、ウルトラライトからオールドスクールまで様々なギアがあって飽きません。自分は2014年にレジ周りのアタマの上からZpacksのヘキサミドが複数ぶら下がっているのを見て爆笑しましたが、金属棒を擦って火花で点火するファイヤースターターなんかもあってもうカオスです。店主のデイブは、客が来る春と秋に集中して店を開いていて、夏はハイクに冬はスキーに行っちゃいます。

オレゴン州ポートランド
日本人はなぜポートランドを愛するのか、という記事がアメリカで書かれるほど人気のポートランド。アウトドアショップが多く、オシャレな街歩きとギアショッピングが同時に楽しめます。
ローカル店としてはNext Adventureネクストアドベンチャー
(https://nextadventure.net)が個人的にお気に入り。PCTハイカーが多い時期(8月末くらい)にはULAのバックパックをズラッと並べて売っていたのに、寒くなりかけの時期に訪れたらグレゴリーやケルティに全部入れ替わっていたのを見ました(笑)。中古品が充実しているのも面白い。別店舗のパドルセンター(カヌー・カヤックなど)も、少々交通の便は悪いものの楽しいです。
本社併設らしいKeenの直営店Keen Garageは凄くオシャレでこれぞポートランド(日本人の固定イメージ?)といった雰囲気。お洒落という意味では、ココとニューヨークの2店しか実店舗が無いSnow Peak USAのストアが魅せるディスプレイをしていて驚きました。同じくMont-Bell USAもココとコロラド2店しかないのですが、こちらは日本のモンベルと同じようなディスプレイながら、もう日本では手に入らない商品なんかがあってマニアには面白いかもしれません。
オレゴン州発祥スポーツカジュアルブランドColumbiaの旗艦店(アメリカには「本店」という概念が無いようです)は、カジュアルめのアパレルが充実。隣の店舗がコロンビアに買収されたMountain Hardwearで、こちらは内装などは普通の都市型路面店なのですが、専門店が見られるというだけで日本人には貴重かと。ブランドの専門店というと他にはNorth FacePatagoniaがあり、どっちもショッピングモールよりポートランドで街歩きしながら見る方が楽しい。日本では見られない、Icebreakerの店舗も個人的には要チェックです。


情報を上げればキリがないのですが、このくらいあればアメリカのロングトレイルを歩くのに支障は無いかと思います。アウトドア好きがショップやギアばかり見ていても仕方ないのですが、やっぱり楽しい(笑)。これを見て買い物に行くヒトは、きっとアメリカを楽しく歩いてくれるのではないかと思います。ぜひ参考にしてください。

Happy Trails !