2017年2月27日月曜日

靴・ブーツ_2016TRT編

 自分はアメリカのロングトレイルばかりを2万km以上も歩いてきて、恥ずかしながらいまだに「定番の一足」が見つからない。だから大体いつも、何か自分にとって新しいことを試している。2016年のTRTには、珍しく以前PCTで使い古したモノを使用した。こんなに長持ちしたのは初めてだ。
Merrell Moab(モアブ)のローカット、防水じゃないほう。この1足で2,000km以上、おそらく2,500kmは歩いている。



  メレルの超定番シリーズであるモアブにはゴアテックスを用いた防水モデルもあるけれど、コレは通気性を確保した「ベンチレーター」モデルのローカット。自分は元々ブーツ好きだが、アメリカで真夏に歩く時はローカットを選ぶことが増えてきている。
 ランニングシューズには「レース用」などといわれるものがある。ソールも含めて全体的に薄く、軽量で通気性が高い。以前、トレイルランニングシューズでレース用のような軽くて薄いものをPCTの南カリフォルニアで使ってみたことがある。乾燥地帯は地面が砂地のことも多く涼しくて快適だったが、北上して中央カリフォルニア(シェラネバダ山中)に入って険しい岩場を歩いたら、すぐ靴はボロボロになり足が痛んでどうしようもなくなった。
 その時もまあ予測済みだったのですぐ買い換えたが、とにかくそれからは岩場にはソールがしっかりした靴で踏み入るようにしている。アップダウンも激しかったりトレイルが十分に整備されていない区間ではブーツにしたいところだが、個人的にはPCTなら南カリフォルニア、北カリフォルニア、オレゴンあたりはローカットでも構わないように思う。
 TRTはPCTの北カリフォルニアセクションと一部を共用していて、地形や気候は似通っている。そしてとてもよく整備されていて、頑丈なブーツである必要はあまりない。ということで今回の選択は「ある程度丈夫で、通気性があるローカット」となった。2ヵ月も履いた靴はいつもならそのまま捨ててしまうのだが、使い古しを取っておいて良かった。

 近年、ランニングシューズでトレイルを歩くハイカーがどんどん増えている。レース用ではなくもっと厚手のしっかりしたもので、ブルックスカスケーディアかアルトラローンピークあたりが多い。どちらも防水性はないので、寒くなるとみんなウールのソックスを2重にしたりして「濡れるんだけど凍傷にならない」方法で切り抜けてきた。そこに新しい手法として、ゴアテックスなどの防水透湿素材の靴下を履くことが注目されてきている。実はこのモアブを取っておいたのも、一度その手法を試してみようという下心があったからだった。今回はハイクが12日間しかなく、出発前に防水靴下が手に入らなかったので見送ったが、あまり寒すぎない季節を選んでいずれやってみたい。

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